あまねく ひろがる!

ポケモン対戦(ORASトリプル)の構築記事や大会参加記録などを載せています。 Twiiter→ @chigusa_amane39 プロフィール・アイコンのヘラクロスは @akasabi_Banette 様に描いていただきました。

【結果発表】夏のエネコ俳句コンテスト

あいさつ

 7月23日に告知した「夏のエネコ俳句コンテスト」の結果発表をします。

have3a9blast.hatenablog.com


 21名の方々から43作品をご応募いただきました。
 投稿してくださった皆さんに感謝を申し上げます。


 想定を越える応募が集まったため、審査委員長もより一層気合いを入れて審査しました。


(↓)審査委員長が気合を入れて審査している様子。


 審査委員長が応募作品1つ1つに対して、講評をしたためました。
 投稿された方は自作品への講評を、ぜひお読みください。
 選外の作品への講評も、記事の最下段に載せています。



審査委員

審査委員長 ハイツあたたかい毛布

 トリプルバトル村のエネコ人気の発生源。エネコと共に日々生活している。
 第10回リモートポケモン学会にて、ポケモン好きの情熱を呼び起こす名プレゼンテーションを残した。

 審査後にもらったコメント「文法、季語の数、川柳や俳句の形式、すべて無視して気合を入れて審査しました!」

www.youtube.com


審査委員長補佐兼企画 アマネ(筆者)

 トリプルバトルでエネコ6体同士の対戦をしたり、ホワイトボードでエネコを描いたりする。

優秀賞

俳句部門

向日葵を よそにエネコは 目が回り
   作者 ょぅι”ょ


【講評】
 試したところ、ヒマワリ畑の景色をエネコの頭の高さから見ると、茎メインになりそうです。
 きれいな黄色の花より背の高い花に囲まれているのではないかという気づきがありました。
 でも普通のヒマワリには目もくれず、シッポを追いかけまわしたりして目を回すエネコもかわいいです。

月見れば 短足伸ばす エネコかな
   作者 よいやさん


【講評】
 これは新たなる生態の発見かもしれません! 
 エネコは月の石で進化することができるのですが、進化後のエネコロロは足が長くなっています。
 月を見るたびに進化後の姿に近づこうとしているようにも見えて動きのかわいさだけではないところまで想像が及びます。

夕焼けの 染み入る庭の エネコかな
   作者 IW: (アイダブユー)


【講評】
 夕焼けのオレンジ色が庭全体にも、エネコの体の色にも差している光景の作品だと思います。
 日中の、例えば芝生の緑やエネコのピンクがオレンジに染められている、いつもと違う色味に特別さを感じました。


川柳部門

やいエネコ みやぶらないで ねこだませ
   作者 よいやさん


【講評】
 野生のエネコがたたかう練習しているときに、同じ草むらから出るかしこい、ケーシィとかに戦術指南されているみたいです。
 コミカルなショートアニメ感がかわいいです。


カナズミの 先の風景 眺めれば 揺れる草むら ピンクのしっぽ
   作者 HOPE


【講評】
 ホウエンの旅の順番だとカナズミに着いてからエネコの自生する116番道路に進みます。
 エネコをまだエネコだと知らないときの、草むらから生える謎のピンクの尻尾を見て、この先に何が待ち受けるのかわくわくする高鳴りが伝わる作品です。

自由形式部門

旱星 え寝込めずして あしの根の 短き夜は ただ明きを待つ
   作者 ょぅι”ょ


【講評】
  調べたところ「あしの根の」が「夜」にかかる枕詞らしいです。枕詞で出てくるのは「葦の根の」なのですが、ひらがなでそのあとに「短き」が来て「え寝込めず」でエネコとかけているので、直接描かなくてもエネコの存在感があります。
 寝付けない夜とエネコって似合うことをこの作品を通して発見できました。


右回し 氷かき混ぜ エネココア ソファのあの子 右巻き眠る
   作者 休歌


【講評】
 当然あの子はエネコだという前提に立ってしまうのですが、エネココアを淹れることとエネコの姿を、混ぜる回転と丸まる向きがそろっていることに着目して描くのが巧いと思いました。
 アイスココアから休日の昼間を感じられてのんびりとした時間が漂ってくるのがいいです。

最優秀賞

俳句部門

老夫婦の 往ぬる屋(や)未だ 棲むエネコ
   作者 弥生                


【講評】
 かつて老夫婦とエネコの3体で住んでいて、今はエネコ1体だけが残されてるってことですか……
 在りし日と今との対比もありながら、エネコは変わらないような、変わっているような、とても想像が膨らむ作品です。


川柳部門

湯がほぐす 主人(あるじ)の足先 余の半身
   作者 Z世代


【講評】
 エネコは人間サイズの足湯に入ると半身浴になっちゃうサイズの差がかわいいです。
 パートナーと一緒に入れる足湯があるのがエネコにとっても旅行の思い出になっていそうで、素敵なワンシーンを切り取っている作品です。


自由形式部門

♪エネコのえかきうた♪

 キャモメが いちわ おりました ごまつぶひとつ おとしもの 「ハ」 っときづいて “ひっくりかえす”と ここはおおきな みかづき
 おいけを ぐるっと かこむみち から ひだりのおやまは えんとつやま みぎのおやまは おくりびやま おやまに さんかく いりぐち でぐち
 あっというまに エネコ(にゃぁ)
   作者 まだつぼみどっとこむ

【講評】
 絵描き歌???
 ちゃんと描ける!!! 絵描き歌経験者ですか?
 歌詞の中にもホウエン地方らしいワードがちりばめられていて、本当にホウエン地方で親しまれていそうなリアリティがあります。


講評一覧

俳句部門

涼しさに 手足も伸びた 黒いエネコ
   作者 マダラバク

【講評】
 ピンク色とクリーム色のエネコも日焼けして色味が変わることは、この作品を読んでの発見です。
 表面積が広いほうが熱は放出されやすいはずなので、伸ばして涼もうとすることにも説得力があります。

逃げまくる エネコのシッポ 輪を描き
   作者 はれあめ

【講評】
 逃げて動き回る動作の中から、シッポだけの動きに注目した作品だと思います。
 逃げている時のなりふりかまっていない動きと、和という安定した美しい形状の冷静な対比が面白い作品です。

打ち寄せる エネコの声と 波の音
   作者 シュルカ

【講評】
 声と波が何度も打ち寄せてくるゆるやかな時間が感じられました。
 情報が音だけだからこその、砂浜かもしれないし風がそよいでいるかもしれない、情景に想像の余地があります。

見つめ合い 微笑み交わす エネコたち
   作者 たかぐち

【講評】
 気軽な挨拶をエネコの体形でやるのは、お辞儀とかできないはずなので表情を使うのが定番になりそうです。
 人間にはわからないエネコどうしで通じあっている空間を感じ取れます。

エネコだな!? ピンクと黄色 多分ね~
   作者 Chika Anri

【講評】
 ピンクと黄色を見たらエネコではないかと盛り上がってしまうところに、おそらく肩に乗ったデデンネが相槌を入れているように受け取りました。
 前半の勢いと後半の緩さが面白いです。

エネコ追う 回転木馬 途中下車
   作者 ケオケオ

【講評】
 たしかにメリーゴーランドに終点はありません。
 後ろから見た、いつもと違う目線の高さからのエネコが珍しい光景です。
 エネコと人間で別々の馬に乗った後、また別のアトラクションでも楽しく遊びそうな雰囲気があります。

おうおうに おをおう子子子 ヱ子子かな
   作者 Z世代

【講評】
 「子子子 ヱ子子」はこねこえねこと多分読みます。
「お」と「う」と「子」の字の見た目の面白さと、母音の偏りによる音の面白さと、描かれている景色のかわいらしさがバランスよく兼ね備えられています。

じゃれつく をまねっこしあう エネコかな
   作者 HOPE

【講評】
 エネコが使える技の中では威力高いのに、エネコどうしで真似していたらそんなに威力が高くなさそうでほほえましいです。

蝉時雨 エネコーラスは 地から鳴く
   作者 まだつぼみどっとこむ

【講評】
 一斉にセミが鳴くのが上方から聞こえる一方で、エネコたちの鳴き声は下方から聞こえています。
 「エネコーラス」と呼んでいるのは、ただ鳴いているだけでなくいつものメンバーによるいつもの旋律のようにも聞こえました。
 慣れたものが下方から聞こえるものだとせみ時雨と対比することで発見しています。

ちぎりおきし 桃猫の尾の 細き尾の ミナモデパート 千円なりと
   作者 カローン

【講評】
 この「千円」が高いか安いかは解釈の余地がありますが、エネコのシッポという道具が存在することを知らずに初めて見たときの、ちぎっておいてある!? っていう驚きを描いた作品だと思いました。
 頭に入ってきた情報が順に描かれているので、驚きを追体験できます。

劣勢も 笑顔のエネコ 身を正す
   作者 ポケモン川柳おやじのヨネ

【講評】
 これは強キャラのエネコですね。
 トレーナーと一緒にバトルして、これまでの特訓やトレーナーの指示への信頼があるからこそ、自分たちを信じることができる強さをまとっていてさわやかです。

陽炎で 滲むエネコよ 水を飲め
   作者 ペルシアン松村

【講評】
 ちょうどいいタイミングなのでこの文章を見た方は一旦水分補給しましょう。
 屋外にいるなら塩分や糖分は十分でしょうか。
 遠いような近いような距離に揺らぐエネコに対して、水を飲むよう心配する優しさがあって沁みわたってきます。

眩しさで 目細むエネコ 笑顔増す
   作者 DOVE

【講評】
 まぶしさで目をギュッとしているところの描写に収まらずに、もともとの笑顔がさらに増したことまで発想を広げて描いています。
 題が活かされています。


川柳部門

夏来たり クーラーにだけ 懐きたり
   作者 ょぅι”ょ

【講評】
 激論!エネコはエアコンの上に登れるか
 どちらかというと登らない派の立場からすると、それまでの冬、春は自分の膝の上に乗っていたのに、乗らないでエアコンの近くに行くようになったことから夏の兆しを感じ取っているのが季節感があって良いです。

あしみじか エネは東に コは西に
   作者 IW: (アイダブユー)

【講評】
 エネコのどのパーツが「エネ」または「エ」「ネ」でどのパーツが「コ」なんでしょうか。
 前足と顔が「エ」「ネ」、シッポが「コ」だと踏んでいます。横向きのエネコなのだろうという姿の描写がありありと伝わってきます。

エネコ味 ミルクと桃と ハスカップ
   作者 シュルカ

【講評】
 ただ甘いだけでなくハスカップの酸味もあるのが、小悪魔的なかわいさも出せるエネコ味らしいです。
 この味のアイスとか食べてみたくなりますし、エネコに共食いもさせてみたくなりました。

果てしなく 広がる空と この大地 踏みしめる足 短くとも
   作者 たかぐち

【講評】
 これはかっこいいエネコですね。
 一匹で旅できる強さがある風格が漂ってきます。ただしムキムキの強さではなく、気ままで身軽なしなやかさも持っていそうです。
 

みじかすぎ あしをのばせど ナシアドス
   作者 Chika Anri

 【講評】
 「アリアドス」に新たな対義語が生まれました。
 アリアドスの真似をするけどポーズを似せようとしても決定的に足が違って似ないところがコミカルで良いです。

おじょうさまの エネコになって 飼われたい
   作者 弥生

【講評】
 わかる~ 寝床ふかふかそうでいいですね。
 一方で自らはエネコかつお嬢様であり、さらに何者かに飼われたいの可能性が現れました。
 素直な欲望を素直な言葉で描いているのがいいと思います。

石がつき けんもほろろな Bボタン
   作者 ケオケオ

【講評】
 アア゛…… あらあら
 ゲームの操作としてのBボタンを押す動作と、石に触れてしまって進化し始めたという実際の動作が混ざり合っているのが不思議な作品です。
 脱線した想像なんですけど進化止める用の商品として「Bボタン」という名前のグッズがはやったから、驚かせることを通称「Bボタン」と言ったりするのかもしれません。

身を焦がす チャームボイスに エネ心
   作者 まだつぼみどっとこむ

【講評】
 バトルにおいてはダメージを与える・必中の範囲技でフェアリータイプでしかないのですが、技説明では魅惑の鳴き声で精神的なダメージを与える技でもあります。
 ただHPが減っただけではない心模様の存在を描いている、新鮮な視点の作品です。

努力家を 嵌める地獄に 尻尾ポイッ
   作者 ポケモン川柳おやじのヨネ

【講評】
 想像なんですけど、特性ありじごくに対して、努力値振りとかでまだ育っていない子が戦闘に出てしまって逃げられなくて大慌てなとこに、道具のエネコのシッポを投げて何をのがれたシーンでしょうか。
 最後「ポイッ」なのが手慣れた感じがします。あらかじめちゃんと用意していそうにこなれた雰囲気もあります。

ニャアニャアと あの手猫の手 何が出る
   作者 ペルシアン松村

【講評】
 恒例のエネコ猫の手のコーナーって感じがします。
 なぜかニャオニクスとかチョロネコだとこわいものが出てきそうなんですけど、エネコだと純粋になにがでてくるかなって楽しみにできます。
 エネコも「ご期待に応えて~」って小躍りしていそうなのがかわいらしいです。

流されて か弱く響く 断末魔
   作者 DOVE

 【講評】
 海か川かを流されてる移動の距離と、音の響きを感じているところに空間の広がりを感じられます。
 「か弱く響く」のが「断末魔」という弱い音とはギャップのあるドキッとする文言が最後に来るのも印象深いです。

自由形式部門

#include


int main(void)
{
printf("Hello, Eneco!\n");
return 0;
}
   作者 百舌菟

【講評】
 C言語??? おそらくC言語ですね。
 プログラミング言語の最初の一歩といえば画面に「Hello, World!」と出力するのが、オダマキ博士から最初の一体を譲り受けるくらい定番だそうです。
 足が短いことでおなじみのエネコにHelloすることで、どんなに短い歩幅でも最初の一歩をふみだしたその重みをかんじとれます。

捕らぬエネコの足算用
 意味:エネコのようにどんなにみじかい足であっても、ゲットしなければ拝むことができないこと。転じて、細かいことであっても、実行しなければ意味がないということを指すことわざ。
   作者 IW: (アイダブユー)

【講評】
 ためになるなあ。
 ことわざ???
 たしかにエネコの足がみじかいことを知識として持っていても実際の短さはゲットしなければわからないというのは、教訓として大事なことです。捕まえるのわりと簡単そうなエネコだからこそ、実際に捕まえなければという点が光ります。

獲物を捕らえるキバを持ち 鋭くとがった爪はなく 周囲を読み解くヒゲはなく 丸く短い足を持つ それはエネコ 耳ぴこぴこ それがエネコ ゆれる尻尾
   作者 シュルカ

【講評】
  主題歌らしさがあります。
 「なく」「読み解く」「持つ」、「コ」「ぴこ」「尻尾」の後ろで踏む韻が二段階あるのが歌のサビ入ったところっぽいです。
 更にエネコの肉体のパーツの特徴をきちんと並んで整っています。

エネコをな なみのりつこて ながすんじゃ
クヒヒヒ…ヒィーッヒッヒッヒヒ!カワイイネエ!波に流されてひんしになっていくエネコのかわいそうな姿!カワイイネエ!!!!!ヒャーッハッハッハッハッハ!!!!
   作者 Chika Anri

【講評】
 羅生門???
 文字だけなのに後半に連れて声が大きくなっていくのが感じとれます。
 NPCがしゃべっている姿が思い浮かびました。
 こういうNPCはいないほうがいいんですけど、SVカチコールの人の前例があるので、そのうち現れそうです。

命短し みやぶれエネコ
   作者 よいやさん

【講評】
 このタイミングで見破るをやる必要があるとすると相手はゴーストタイプでエネコはノーマルスキンの可能性があります。
 細かい情景描写がなくともピンチと一縷の望みがせめぎあう緊張感が伝わってきます。

青柳の 艶めく糸目 射止められ 赤らむ肌に 奇跡の予感
   作者 Z世代

【講評】
 調べたところによると「青柳の」(あをやぎの)が「糸」にかかる枕詞であるらしいです。
 「糸目」「射止め」の掛詞的なのとか「肌に奇跡の」でミラクルスキンを連想させるなどテクニックが光る作品です。

ぽってりのルーズスキン
   作者 茄子ノ湯

【講評】
 この一言がエネコのおなかがポヨっとしている写真に添えられてSNSに投稿されてそうです。
 言葉を削ったうえでもエネコのかわいさが伝わってきて巧いです。

エネコってさ、かわいい顔してエネゴリと名前似てるよね
   作者 ポケモン川柳おやじのヨネ

【講評】
 たしかに。「エネ+ゴリ」のパターンに合わせると「エネ+コ」になって小ささが増します。
 言葉にしなければそのうちおもいださなくなりそうな発見を拾い上げて詩にしたことにとても好感をもてます。